日本語学校でしっかりとした日本語の基礎を築いた後、多くの留学生が専門学校(せんもんがっこう - Senmon Gakko) で専門的なスキルや職業訓練を追求することを選びます。これらの学校は、特定の仕事や産業分野に直接就職できるよう、実践的で実習中心の教育を提供しています。

専門学校について知っておくべきことは以下の通りです。

1. 目的と目標

主な目的: 特定の職業に必要な専門知識と実践的スキルを習得すること。大学のような学術理論よりも、就職への即戦力となることに重点が置かれています。

キャリア志向: 専門学校は、卒業生が修了後すぐに社会で活躍できる資格と能力を身につけることを目指しています。

称号: 通常2〜3年の課程を無事に修了すると、「専門士(せんもんし)」または「高度専門士(こうどせんもんし)」という、日本で認められた称号が授与されます。

2. 学べる分野とコースの多様性

幅広い分野: 専門学校は非常に多様な分野のコースを提供しています。人気の分野には以下のようなものがあります。

  • IT・コンピュータ: プログラミング、ウェブデザイン、ネットワークエンジニアリング、ゲーム開発など
  • ビジネス: 一般ビジネス、マーケティング、会計、国際貿易など
  • クリエイティブ(デザイン・芸術): アニメ、マンガ、グラフィックデザイン、ファッションデザイン、写真、音響工学など
  • ホスピタリティ・観光: ホテル経営、旅行代理店業務、ブライダルサービスなど
  • 工学・テクノロジー:: 自動車整備、建築、電子工学など
  • 調理・製菓: 調理(日本料理、西洋料理、中国料理)、製パン、製菓など
  • 福祉・医療: 介護(かいご)、保育など
  • 語学・文化: 翻訳、通訳(大学のプログラムに含まれることもあります)

専門性の高さ: コースは高度に専門化されており、選択した分野を集中的に学ぶことができます。

3. 標準的な進路:まずは日本語学校から

一般的なルート: ミャンマーのような国からの学生にとって最も一般的な道筋は以下の通りです。

  1. 日本語学校に入学: 必要な日本語能力を達成するために1〜2年間集中的に勉強します。
  2. 語学試験に合格:: JLPT N2レベル以上を目指します。一部の学校やコースではN3でも入学できる*可能性*がありますが、N2レベルがあれば選択肢が大幅に広がり、多くの場合これが標準的な要件となります。日本留学試験(EJU) の日本語科目スコアも多くの学校で認められています。
  3. 専門学校に出願: 日本語学校在学中に、専門学校について調べ、希望するコースを選び、出願準備を進めます。
  4. COEと学生ビザを取得: 合格後、在留資格認定証明書(COE)を申請し、その後、学生ビザを申請します。

4. 専門学校の入学要件

基礎教育: 母国で12年間の学校教育を修了していること。

日本語能力: これが極めて重要です。前述の通り、授業はすべて日本語で行われ、専門用語も多く使われるため、通常JLPT N2または同等レベルが最低要件となります。能力を証明する書類(JLPT認定証、EJU成績通知書など)の提出が必須です。

入学試験(にゅうがくしけん): ほとんどの専門学校では、留学生向けの独自の入学試験を実施しています。試験内容には以下のようなものが含まれることがあります。

  • 筆記による日本語テスト(語学レベルの確認)
  • 特定の科目テスト(例:ビジネス/IT分野向けの基礎数学、美術系分野向けのデッサン試験など)
  • 面接(めんせつ): 学習意欲、日本語でのコミュニケーション能力、コースへの適性などを評価するため。
  • 書類選考。

日本語学校での出席率: 日本語学校での出席状況も、出願プロセスにおいて考慮されることが多いです。良好な出席率(85〜90%以上)が重要です。

5. 学費(がくひ)

一般的に高め: 専門学校の学費は、専門的な設備、教材、施設が必要となるため、日本語学校よりも高くなることが多いです。

目安: 年間約90万円から150万円(またはそれ以上)を予算として見込む必要があります。これは分野によって大きく異なります(例:医療系や技術系の分野はより高額になることがあります)。

内訳: 日本語学校と同様に、選考料、入学金(初年度のみ)、授業料に加え、教材費、設備使用料、実習費(じっしゅうひ) などでかなりの費用がかかる場合があります。

6. COE申請のための経費支弁能力証明(けいひしべんのうりょくしょうめい)

引き続き必要: 日本語学校と同様に、専門学校の学生ビザに必要なCOEを申請する際、あなた(またはあなたのスポンサー)は授業料と生活費を賄うための十分な資金があることを証明しなければなりません。

必要資金額:: 授業料が高くなる可能性や、学習期間が通常2年以上と長くなることを反映して、日本語学校の場合と同等か、やや高めの金額が必要になる場合があります。少なくとも初年度の総費用(授業料+推定生活費)をカバーできる残高証明が求められると考えてください。

手続き: 専門学校に合格した後、通常は学校がCOE申請プロセスを案内し、必要な経済証明書類を学校経由で入国管理局に提出します。

7. 卒業要件

コース修了: カリキュラム内のすべての必修科目と実習モジュールを無事に修了する必要があります。

単位(たんい): 日本語学校とは異なり、専門学校では科目ごとに単位制度が採用されていることが多いです。必要な単位数を取得する必要があります。

試験・評価: 定期的な試験に合格し、課題を提出し、実習評価を無事にクリアすることが必要です。

出席率: ビザの維持とコースの無事修了のため、在学期間を通して良好な出席率を保つことが重要です。

8. 入学時期(にゅうがくじき)

主に4月: 専門学校の大多数は、年に一度、4月に学年度を開始します。

出願スケジュール: これは、学校選び、書類準備、そして多くの場合、入学試験の受験を前年の夏から秋にかけて(例:2025年4月入学のためには2024年6月〜11月頃に出願)行う必要があることを意味します。出願締め切りは厳格です。

9. アルバイト

同じ規則が適用されます: アルバイトの規則は日本語学校の学生と同じです。

  • 「資格外活動許可(しかくがいかつどうきょか)」 が必要です。
  • 学期中は週28時間まで働くことができます。
  • 学校が定める長期休暇中は、1日8時間まで(週40時間まで)働くことが可能です。
  • 禁止されている職種は引き続き適用されます。

10. 住居(じゅうきょ)と費用

選択肢: 同様の選択肢があります。

  • 学校寮(がっこうりょう): 専門学校によっては寮がありますが、大規模な日本語学校に比べると選択肢は少ないかもしれません。空き状況も限られている場合があります。費用は同様(月額3万円~7万円程度)です。
  • 個人アパート: 常に選択肢ですが、高い初期費用(礼金、敷金など)や外国人として部屋を見つける難しさ(保証人が必要となることが多い)を忘れないでください。月々の家賃は場所によって大きく異なります(月額5万円~9万円以上+光熱費)。
  • シェアハウス: 個人アパートより手頃な代替案となる場合があります。

11. 一般的な生活と潜在的な課題

生活費(せいかつひ): 日本語学校の学生向けに提示された目安(授業料/家賃を除く月額8万円~13万円)と同様です。

学業の厳しさ: 専門学校のコースは要求が高く、専門分野について、すべて日本語でかなりの学習時間と努力が必要となる場合があります。

就職活動(しゅうしょくかつどう): コースの終盤には就職活動を開始する必要があります。これは、履歴書作成、面接、日本の労働文化の理解を含む大きなプロセスです。学校からのサポートはあると思われますが、個人の多大な努力が必要です。

在留資格の変更(ざいりゅうしかくのへんこう): 学んだ分野に関連する仕事を見つけた場合、「留学」ビザから適切な就労ビザ(例:「技術・人文知識・国際業務」など)への変更申請が必要になります。

まとめ

専門学校は、日本で即戦力となるスキルを習得するための直接的な道を提供します。しかし、入学には高い日本語能力(通常JLPT N2以上)、入学試験の合格、そして十分な資金計画が必要です。一般的なルートは、まず日本語学校で日本語を習得することです。明確なキャリア目標を持つ人にとっては、挑戦しがいのある実践的な教育の選択肢です。特に日本語学校在学中から、早めに情報収集と準備を始めましょう!

頑張ってください!