多くの留学生にとって、特に将来的に日本の専門学校や大学への進学を考えている場合、日本語学校(にほんごがっこう) からスタートすることは、不可欠な最初のステップです。これらの学校は、日常生活、さらなる学習、そして将来の就職の可能性に必要な日本語スキルを集中的に教えることに特化しています。知っておくべき主な点は以下の通りです。

1. 目的と目標

日本語学校に通う主な目的は、当然ながら日本語(読む・書く・聞く・話す)を学ぶことです。多くの学校は、学生が日本語能力試験(JLPT)、特に多くの専門学校や大学で要求されるN2またはN1レベルに合格できるよう支援し、高等教育機関への進学準備を整えることを目指しています。日本留学試験(EJU) の対策を提供する学校もあります。さらに、買い物、公共交通機関の利用、日常的な状況への対応など、日々の生活を送る上で必要な実践的な日本語も習得します。

2. 入学要件とJLPTレベル

一般的に、入学希望者は母国で12年間の学校教育(高校卒業に相当)を修了している必要があります。重要な点として、通常、初級コースへの入学に特定のJLPTレベルは求められません。 学校は通常、入学時または申請プロセス中にあなたのレベルを評価し、適切なクラスに配置します。日本語学校に通う主な目的は、進学や就職といった次の目標に必要な能力(N2やN1など)を達成することです。初級コースへの入学に必須ではありませんが、事前に多少の自己学習をしておくと役立つ場合があります。

3. 学費(がくひ)

学費は学校やその所在地によってかなり異なります。一般的に東京のような大都市の方が高額になる傾向があります。大まかな目安として、初年度は約70万円から90万円以上を予算として考えておくとよいでしょう。これには通常、申請料(選考料 - せんこうりょう)、一度だけの入学金(にゅうがくきん)、授業料(じゅぎょうりょう)、そして教科書代(教材費 - きょうざいひ)や施設費(しせつひ)などのその他の費用が含まれます。多くの場合、在留資格認定証明書(COE) を受け取った後、日本に来る前に、最初の6ヶ月分または初年度全体の学費を前払いする必要があります。

4. COE申請のための経費支弁能力証明(けいひしべんのうりょくしょうめい)

これは申請プロセスにおいて非常に重要な要素です。あなた自身、またはあなたの経済的支援者(スポンサー)は、留学期間中の授業料と生活費の両方を賄うのに十分な資金があることを、日本の出入国在留管理庁に証明しなければなりません。これにより、あなたが不法就労に頼らずに自活できることを入国管理局に保証します。要求される金額は異なりますが、一般的な目安として、約1年分の費用をカバーする約150万円から250万円以上の銀行残高証明が必要です。必要な書類には通常、公的な銀行の残高証明書(多くの場合、一定期間安定した資金があることを示すもの)や、場合によってはスポンサーの収入証明などが含まれます。詳細は、あなたが選んだ学校から提供されます。不十分な経費支弁能力証明は、COEが不交付となる主な理由の一つですので、細心の注意を払って準備してください。

5. 修了要件 / コースの完了

語学学校のプログラムを修了できるかどうかは、主に単位ではなく出席率(しゅっせきりつ) にかかっています。ほとんどの学校では、最低80%から85%の出席率が義務付けられています。この基準を下回ると、学生ビザの更新が危うくなり、次の教育段階への進学の妨げになる可能性があります。日本の出入国在留管理庁は出席状況を厳しく監視しています。もちろん、授業への積極的な参加と、一定水準の学業成績も期待されます。

6. 入学時期(にゅうがくじき)

ほとんどの日本語学校では、年に4回(4月、7月、10月、1月)入学の機会を提供しています。日本の学年度の始まりである4月入学と、10月入学が最も一般的で、多くの場合、より長期間(1年半から2年)の学習を目的としたコースが設定されています。7月や1月の入学では、より短いプログラムや特定のレベルに対応したコースが提供される場合があります。学校の選考プロセスとCOE申請のスケジュールを考慮し、希望する入学時期の通常5~6ヶ月前には出願するように、十分に余裕を持って準備を始めましょう。

7. アルバイト (Part-time Work)

学生ビザを持つ人は通常、生活費を補うためにアルバイトをすることが許可されていますが、それには「資格外活動許可(しかくがいかつどうきょか)」 を取得する必要があります。この許可は通常、日本到着時に空港で、または後日、入国管理局で申請できます。労働時間は、学校の授業期間中は週28時間まで、学校が定める長期休暇期間中は週40時間までとなる可能性があります。(ホステスがいるバーやパチンコ店など)特定の風俗営業関連の職場で働くことは固く禁じられています。特に日本語能力が限られている場合、最初は適切なアルバイト(例:レストラン、店舗、コンビニエンスストアなど)を見つけるのが難しいこともあります。時給は地域によって異なりますが、通常1,000円から1,300円程度です。

8. 住居(じゅうきょ)と費用

多くの日本語学校が、寮(りょう)(通常、相部屋)を提供または手配しています。寮は通常、家賃が安く(一人あたり月額約3万円~6万円程度)、来日前に確保しやすいですが、プライバシーは限られます。個人でアパートを借りると、より自由ですが、初期費用(敷金、礼金、仲介手数料などで家賃の4~6ヶ月分が必要な場合もある)が大幅に高くなり、月々の家賃(大都市では光熱費別で月額5万円~9万円以上)も高くなります。また、外国人にとっては個人でアパートを見つけるのが難しく、多くの場合、日本人の保証人が必要となります。

9. 日本での一般的な生活とその他の考慮事項

授業料と家賃以外に、食費、交通費、電話・インターネット代、身の回り品、そして医療費の70%をカバーする国民健康保険(こくみんけんこうほけん)(加入義務あり)を含む生活費(せいかつひ) の予算も必要です。ライフスタイルや地域によって異なりますが、月額の目安はおよそ8万円から13万円程度です。文化的な違いへの適応も必要になります。学校は通常、学生サポートサービスを提供しています。よくある課題としては、来日前のCOE/ビザ手続き、そして来日後の銀行口座開設、携帯電話の契約、アルバイト探しなどが挙げられます。

まとめ

日本語学校への通学は、時間とお金の大きな投資ですが、日本で成功するために必要な基盤を築くための最良の方法であることが多いです。様々な学校を慎重に調査し、すべての費用と要件(特にCOEのための経費支弁能力証明!)を理解し、十分に余裕を持って準備を進めてください。

大変な面もありますが、非常にやりがいのある経験になるでしょう。頑張ってください!